今回ご縁をいただき、鎌倉ビール株式会社様の2026年 午年 Premium Beer のラベルを担当させていただきました。
打合せを重ねたのは、鎌倉ビールご担当者の宮野さん。
アトリエで実際の作品を前に、「この馬が持つ力」「一年を託すにふさわしい馬とは」そんな対話を重ねながら、
一枚を選定していきました。
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制作について
本作では、
紙:紅星牌(こうせいはい)
墨:中国・一得閣(いっとくかく) *墨に関しましては初使用
初めての素材だからこそ、予期せぬ滲み、墨と水の分離、制御しきれない偶発が生まれました。
しかしその不確かさこそが、「生きているもの」を描く水墨画にとって、何より大切な要素だと感じています。
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作品について
作品名『躍進』
正面から迫る馬の気迫。
内側から溢れ出す、生命の奔流。
止まることなく前へ進む力、
しなやかでありながら折れない芯。
新たな一年が、力強く、そして軽やかに駆け抜けられるよう願いを込め、一筆にすべてを託しました。
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表具・仕上げについて
表具は、いつもお願いしている山口文林堂https://www.yamaguchibunrindo.comさんに仕立てていただきました。
黒地を基調としたシンプルな構成に、銀のすじをまわし一文字は黒に近いこげ茶の鳳凰など縁起の良い柄選定。
軸先には、動物の骨を元に塗装を施した格式ある仕様を選んでいます。

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絵は、飾られることで終わるものではなく、誰かの一年に寄り添い、時に背中を押す存在であってほしい。
この馬が、2026年という一年を駆けるひとつの象徴となれば幸いです。

■2026年 午年 Premium Beer ラベル
水墨画《躍進》が、鎌倉ビールの一本に宿る。
下記からご購入が可能です。
https://shop.kamakura-beer.co.jp/SHOP/KB25_06.html

■アトリエでの時間
描きおろした作品を前に、ラベルになる一枚を選定。
絵の気配、墨の呼吸、馬の目線について語り合う。

■制作風景
床に広げた紙に、馬が立ち上がる瞬間。
計算を超えた滲みと偶発が、命の輪郭を形づくる。

■作品《躍進》
幅700mm × 高さ1350mm
正面から迫る一頭の馬

■一筆の中の生命
滲み、掠れ、墨と水の分離。
意図と偶然が重なり、生きた線となる。

■対談
作品は一人で生まれず、対話の中で形になる。







